NoDup(CICSFAST(…))
このサブオプションは、最後の障害の発生以降の経過時間を分数で指定する場合に使用します。この時間内に同一ジョブ・ステップで発生した後続の障害が、該当する障害特性基準を満たしている場合、それらの障害に対する以後の Fault Analyzer 呼び出しは、最後の障害の重複と見なされます。
障害 A
のすべてのインスタンスは、障害特性のみに基づいて、互いの重複であると見なされる。障害 B
のすべてのインスタンスは、障害特性のみに基づいて、互いの重複であると見なされる。障害 A
の特性は、障害 B
の特性と一致しない。
このオプションは、短期間に発生する複数の同一トランザクション異常終了が、後にシステム・リソースを使い果たす危険性があるため、Fault Analyzer により分析されないようにするために、現在、CICS® で使用されます。
minutes の有効な範囲は 0 から 10080 (10080 は 1 週間に相当します) です。0 分を指定すると、「CICSFAST」重複障害は検出されないことを意味します。
デフォルトの経過時間は 5 分です。
- トランザクション ID
- CICS® 異常終了コード
- 障害が発生したプログラム名
- 要求 ID
- システムおよびユーザーのセンス・コード
- オペレーティング・システムの異常終了コード
- エラー点のオフセット
- 異常終了へのエントリーでの PSW
NoDup(CICSFAST) シグニチャーは CICS® 領域に保持されます。
トランザクション ID を除いて、すべての障害の詳細情報は トランザクション異常終了制御ブロック (TACB) から入手されます。両方の TACB で有効な TACB フィールドのみが、重複比較に含まれます。
- TACB が使用可能な場合、上に示した CICS® 異常終了の場合と同じ基準で重複判定が実行されます (CICS® 異常終了コードの代わりに CICS® ダンプ・コードが使用されます)。
- TACB が使用可能でない場合、重複判定は以下の基準に基づいて実行されます。
- トランザクション ID
- CICS® ダンプ・コード
- 障害が発生したプログラム名
障害特性に基づいて、ある障害が別の障害の重複であると見なされたとき、NoDup(CICSFAST(…)) オプションが有効であると、ヒストリー・ファイル項目の書き込みが抑止され、最後の障害に関連した重複カウントが 1 つ増え、メッセージ IDI0066I が出されます。このタイプの障害抑止は 「CICS fast duplicate fault suppression
」と呼ばれます。
Fault Analyzer は出口 IDINDFUE を提供します。これは異常終了コードおよび他の属性に基づいて、特定の障害の重複指定の指定変更に使用できます。詳しくは、CICS NoDup(CICSFAST) オーバーライド・アセンブラー出口 (IDINDFUE)を参照してください。
Fault Analyzer が、新たに発生した異常終了を、既に削除された障害項目の重複として指定し続けるのを防止するには、NoDup(CICSFAST) 記録域を消去する必要があります。詳しくは、NoDup(CICSFAST(…)) 記録域の消去を参照してください。