Exclude/Include

Exclude オプションと Include オプションは、相補的なプロセスです。これらは Fault Analyzer で処理する必要があるジョブ例外を制御するために、共通のパラメーターを共有します。このセクションでパラメーターについて学習する前に、Exclude 処理による分析対象のジョブの制御に説明されている Exclude/Include プロセスを読んで、理解しておく必要があります。

このセクションでは、バッチ・ジョブ、開始タスク、または TSO ユーザーのいずれかを参照するために「作業単位」という用語を使用しています。

1. Syntax

1 EXclude
1 INclude
2?  (
3.1+ ,
3.1  TYPE (
3.2.1+ ,
3.2.1 JOB
3.2.1 STC
3.2.1 TSU
3.2.1 LETCB
3.1 )
3.1  CICSABEND ( + , cics_abend_code )
3.1  CLASS (
3.2.1+ ,
3.2.1 class
3.1 )
3.1  NAME ( + , name )
3.1  ABEND ( + ,
3.2.1 Sxxx
3.2.1 Unnnn )
3.1  TRANID ( + , tranid )
3.1  USERID (
3.2.1+ ,
3.2.1 userid
3.1 )
3.1  EXECPGM (
3.2.1+ ,
3.2.1 exec_program_name
3.1 )
2 )
各コマンドの説明。
TYPE
作業単位のタイプを、JOB (バッチ・ジョブ)、STC (開始済みタスク)、または TSU (TSO ユーザー) のいずれかとして指定します。

追加のタイプ LETCB は、異常終了 TCB 用に LE がアクティブでなければならないことを指定します。これは、アプリケーションがLanguage Environment®を使用する言語で書かれている場合、異常終了がシステム・タスク内で発生したのではなく、アプリケーション・タスク内で発生したことを識別するために使用できます。

CICSABEND
CICS® トランザクションに対する 1 つ以上の異常終了コードを cics_abend_code として指定します。各異常終了コードは、4 文字の英数字である必要があります。

テストされる異常終了コードは、トランザクションの最後の異常終了コードです。

IDIXTSEL CICS® ポスト・ダンプ出口でキャプチャーされた MVS システム・ダンプは、Exclude/Include オプションの影響を受けないことに注意してください。

CLASS
バッチ・ジョブの 1 つ以上の実行クラスを class として指定します。
NAME
1 つ以上のジョブ、タスク、または TSO ユーザーの名前を name として指定します。
ABEND
1 つ以上のシステム異常終了コードまたはユーザー異常終了コードを、次のいずれかとして指定します。
  • Sxxx

    ここで、xxx は、3 文字の 16 進数システム異常終了コード (例: S0C4) です。

  • Unnnn

    ここで、nnnn は、4 文字の 10 進数ユーザー異常終了コード (例: U4039) です。

異常終了コード値の指定が「S」または「U」で始まらず、3 文字以下である場合 (ワイルドカード文字を含む)、システム異常終了コードと見なされます。テストされる異常終了コードは、異常終了ジョブ・ステップの最後の異常終了コードです。

TRANID
1 つ以上の CICS® トランザクションの名前を tranid として指定します。
USERID
TSO または CICS® ユーザー ID、あるいはバッチ・ジョブ、CICS® トランザクション、または開始済みタスクを実行するユーザー ID を userid として指定します。
EXECPGM
JCL EXEC ステートメントの PGM キーワードのプログラム名を、exec_program_name として指定します。
注: ABEND サブオプションに置き換えられた SYSABEND サブオプションは、後方互換性のためにのみサポートされます。

異常終了タスクが Exclude 基準を満たしている場合、以降の Include 基準もそのタスクに一致していなければ、異常終了はヒストリー・ファイルに記録されず、これ以上の Fault Analyzer 処理は行われません。

指定の規則
  • 個々のサブオプション、およびサブオプション内の値は、1 つ以上のブランク文字、またはコンマで区切られていなければなりません。
  • 基準値の指定にはワイルドカードを使用できます。サポートされているワイルドカード文字には、アスタリスク (*) (0 個以上の文字を表す) と % 記号 (単一の必須文字を表す) があります。

    基準値にワイルドカードを使用する例についてはExclude/Include ワイルドカードの例を参照してください。

  • Exclude 基準が指定されない場合、デフォルトによりすべてが包含されます。
  • 基準が満たされるためには、Exclude または Include 基準のすべてのサブオプション (TYPE、CICSABEND、CLASS、NAME、ABEND、TRANID、USERID、および EXECPGM) が満足されなければなりません (論理 AND)。決して満たされることのない次のような Exclude または Include 基準を作成することも可能です。
    Exclude(TYPE(STC) CLASS(A))
    これらの基準が満たされることのない理由は、開始タスクは JES イニシエーター・アドレス・スペースでは実行されず、したがって特定のクラスに関連付けられないためです。

    この場合、および他の Exclude 基準が (どこにも) 指定されていない場合は、ジョブは除外されません。つまり、Fault Analyzer は、発生するすべての異常終了を分析することになります。

  • 複数の タイプ (JOB、STC、TSU、または LETCB)CICS 異常終了コードクラス名前異常終了コード (Sxxx または Unnnn)、traniduserid, または EXEC プログラム名 の値が、単一のタイプ、CICSABEND、CLASS、NAME、ABEND 、TRANID、USERID、 または EXECPGM サブオプション内で指定されている場合、 任意の値に一致すると、サブオプション全体が一致します (論理 OR)。
  • 複数の Exclude オプションが指定されている場合、そのうちの 1 つについて基準が一致すれば、除外が行われます (ただし、一致する Include 基準が後に続かないことが前提となります)。

このオプションは、バッチまたは対話式再分析には適用されません。

このオプションは、有効なオプションを示す、障害分析レポートのセクションには含まれません。

IDIS サブシステムが始動していてデフォルトの PARM='FASTEXCLUDE' オプションが有効な場合、Include/Exclude オプションに対する変更は、Fault Analyzer IDIS サブシステムを停止して再始動した後に高速 Exclude 処理のみで有効になります。詳しくは、高速 Exclude オプション処理を参照してください。

注: すべての Include および Exclude 基準は、それ以前の Include または Exclude 基準にかかわらず、異常終了するタスクに対して検査されます。このため、parmlib 構成メンバー内および、使用可能な場合にはユーザー・オプション・ファイル内のこれらの基準の順序が、必要なインストール・システム固有のルール・セット内になっていることを確認することが重要です。例えば、クラス A で実行されるものを除く、すべてのバッチ・ジョブを除外するには、以下の順序で基準を指定します。
Exclude            /* This excludes everything */
Include(CLASS(A))  /* This includes batch jobs in class A only */

詳しくは、Exclude 処理による分析対象のジョブの制御を参照してください。

Fault Analyzer が障害分析をしないようにするもう 1 つの方法は、IDIOFF DD ステートメント・スイッチの使用です。詳しくは、JCL スイッチ (Fault Analyzer) を使用した IDIOFF の停止を参照してください。