テープ入力または出力の指定

File Manager テープ・オプションを使用すると、テープ・データを 2 つの方法 (基本テープまたはラベル付きテープ) の 1 つで処理できます。
基本テープ
基本のテープ処理では、テープ・ファイルとテープ・ブロックで処理を行います。データ・レコードの後の、または先行するテープ・マークの後の最初のテープ・マークが、ファイルの終了とみなされます。基本テープ機能では、マルチボリュームの入力テープ・ファイルは処理できません。テープ・ラベルの処理は行われません。テープ・ラベル・セットは、通常のテープ・ファイルのように処理されます。
前方向または後方向に、物理レコードの数またはテープ・ファイルの数だけ、テープを移動させることができます。テープ入力は、入力テープの現在位置から読み取り、テープ出力は、出力テープの現在位置に書き込まれます。
注:
  1. 出力テープの場合、テープ・ファイルを拡張したい場合には、ファイルの最後のテープ・マークの前にテープを位置付けることができます。
  2. ラベル付き入力テープをラベル処理なしで処理するには、例えば、「Forward Space File (ファイル分の先送り)」(オプション 4.15.2) を使用してテープ・ラベル・ファイルをスキップすることによって、テープを先頭のデータ・レコードに位置付けます。
  3. 読み取った先頭レコードがテープ・マークである場合は、File Manager はそれを先行テープ・マークとみなして続行します。ヌル・ファイルを正確にコピーするには、テープをテープ・マークの前に位置づけ、それを先頭のテープ・マークとして扱います。連続ファイル (ヌル・ファイルを含む) をマルチファイル入力テープからコピーするには、各 COPY コマンドの前に「Backward Space Record (レコード単位の巻き戻し)」(オプション 4.15.3) を使用してください。
  4. テープの終わりで、File Manager はボリュームの終わりを示す 2 個のテープ・マークを書き込み、満杯のテープをアンロードして、別のボリュームをテープ出力装置にマウントするように要求します。このようにして、ラベルのないマルチボリュームのテープ・ファイルを作成することができます。
  5. テープ・マークを通過するテープ機能の場合、およびテープ出力機能の場合には、BLP または NL 処理が推奨されます。
ラベル付きテープ
ラベル付きテープの処理では、ファイル ID を指定することができます。入力テープは、指定したラベル・セットの前に位置づける必要があります。(ファイル ID が一致しないと、機能はエラーで終了します。)出力テープは、テープの最初に位置づけるか、ラベル付きファイルの直後におかなければなりません。

File Manager は SL および AL (ANSI) ラベルを処理します。入力の場合、ラベル形式は自動的に認識されます。出力の場合は、「Set Processing Options (処理オプションの設定)」パネルから「TAPELBL」入力フィールドを使用してラベル・タイプを選択します。

ラベル付きテープの処理は、(対話式の割り振りで) テープをオープンするときに指定します。出力ラベル処理では、下記のオプションのみが使用可能です。
  • テープ・データの作成 (オプション 4.7)
  • 順次データからテープ (オプション 4.2.7)
  • 「VSAM to Tape (VSAM からテープ)」(オプション 4.2.6)
注: File Manager のキーワード値の組み合わせのすべてが、基礎となる操作環境でサポートされているわけではありません。サポートされる組み合わせの情報については、操作環境の資料を参照してください。

テープ入出力を、次のように指定することができます。

  1. テープ装置の DD 名を指定します。
  2. 出力テープの場合、オプションとして、テープ密度とモード値に示されているように、テープ・モード・コードを指定します。デフォルトによって、File Manager は密度を変更することはなく、適用できる場合はバッファー付き書き込みを使用します。
  3. DD 名が割り振られていない場合は、割り振り情報を尋ねられます。
テープを使用する最初の File Manager オプションによってテープがオープンされます。指定した DDNAME が割り振られないと、File Manager「Tape Allocation (テープの割り振り)」パネルに示されている「Tape Allocation (テープの割り振り)」パネルを 表示することによって必須情報のプロンプトを出します。次に、File Manager はテープを動的に割り振ってオープンします。このテープは、テープの「巻き戻しおよびアンロード」(オプション 4.15.6) を使用してそのテープを巻き戻してアンロードするまで、あるいは FMN を終了するまでオープンされたままです。
  • 装置を指定する必要があります。その他のパネル入力は、指定するラベル値によって異なります。複数のファイルを処理する (つまり、テープ・マークを通過する) テープ・オプション、またはテープ出力オプションを 使用する場合は、BLP または NL 処理が推奨されます。(File Manager 基本テープ出力オプションではラベル付きテープは作成されません。)
  • BLP を指定すると (許可されている場合)、VOLSER は検査されず、データ・セット名は無視されます。入力磁気テープ・ラベル処理が必要な場合は (SL または AL)、VOLSER およびデータ・セット名の両方は必要であり、一致する必要があります。出力にスクラッチ・テープを割り振る (非特定要求) には、VOLSER を省略してください。
1. 「Tape Allocation (テープの割り振り)」パネル
 Process   Options   Help
────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────
 File Manager            Tape Allocation

 Tape Allocation:
    DDNAME to use  . . WHICHTAP
    Volume serial(s) .___________________________________
    Unit . . . . . . . ___          device number, generic, or group name
    Label value  . . . SL_          SL, NL, AL or BLP
    Data set name  . .____________________________________________
    Sequence number  . ____         relative position of data set on tape
    Expiration date  . ________     yyyy.ddd, leave blank if none desired
    Open for write . . NO_          NO or YES
    Disposition  . . . MOD_         OLD, MOD, NEW, or CAT (for NEW,CATLG)








 Command ===> _________________________________________________________________
 F1=Help      F2=Split     F3=Exit      F4=CRetriev  F7=Backward  F8=Forward
 F9=Swap     F10=Actions  F12=Cancel
テープを割り振る際に、以下の情報を入力するように要求されます。
DDNAME to use (使用 DDNAME)
磁気テープ装置の DD 名
ボリューム通し番号
実際のボリューム通し番号 (ラベル処理が要求された場合には検査 されます)、あるいは実際のボリューム通し番号が分からない場合は、テープの 装着に使用する外部番号 (これには BLP が必要)。例えば、「Tape Label Display (テープ・ラベル表示)」(オプション 4.8) を使用して実際のボリューム通し番号を判別できます。

ボリューム・セットにアクセスするには、括弧の中に最高 5 つまでのボリューム通し番号を指定します。例: (FMO005 FMO006 FMO007)。ボリューム・セットは、「Tape Label Display (テープ・ラベル表示)」(オプション 4.8)、「Tape to Labeled Tape (テープからラベル付きテープ)」(オプション 4.2.3)、および基本テープ出力機能によってサポートされています。

スクラッチ・テープ (非特定ボリューム要求) にアクセスする場合は、ボリューム通し番号を入力しないでください。テープは書き込み保護されていない必要があるので、オペレーターはテープが使用可能かどうかを確認する必要があります。テープは、後から必要により入力用に使用できるように「OPEN=OUTIN」を使用してオープンされます。

Unit
テープ装置番号。装置番号、装置タイプ (総称名)、またはグループ名 (記号名) で応答します。
Label value (ラベル値)
SL」は標準ラベル処理 (デフォルト)、「AL」は ANSI ラベル処理、「BLP」はラベル迂回処理、「NL」はラベルなし。

File Manager が APF 許可で実行していて、ユーザーに適切な権限があると、一部の機能について BLP が内部的に設定されます。その機能が終了すると、BLP はリセットされます。

データ・セット名
ラベル処理が使用されている場合、処理したいテープ・データ・セットの名前。
Sequence number (シーケンス番号)
テープ上のデータ・セットの相対位置。
有効期限
データ・セットの有効期限。
Open for write (書き込みオープン)
テープを読み取り/書き込みモードでアクセスするためには、「YES」を指定します。テープは書き込み保護されていない必要があるので、オペレーターはテープが使用可能かどうかを確認する必要があります。テープは、必要により出力用に使用できるように「OPEN=INOUT」を使用してオープンされますが、オープン時にラベルが再書き込みされることはありません。
後処理
データ・セットの状況。デフォルトは、MOD です。
OLD
ファイルは既にあります。
MOD
ファイルが既にある場合は、ファイルの最後にレコードを追加します。そうでない場合は、新規ファイルを作成します。
NEW
新規ファイルを作成します。
CAT
ステップが正常に終了すると、ファイルはカタログされます。

File Manager セッションが異常終了すると、TSO FREE コマンドを使用してすべての File Manager 割り振りを除去することが必要になる場合があります。

注: テープは、File Manager の外側でも割り振ることができます。例えば、File Manager 内では指定できない割り振りパラメーターを使用したい場合があります。

出力ラベル処理には使用可能になっていないオプションを使用すると、テープは、そのテープを (テープの「巻き戻しおよびアンロード」を使用して) 巻き戻してアンロードするか、あるいは File Manager を終了するまでオープンされたままです。出力ラベル処理に使用可能になっているオプション (「Create Tape Data (テープ・データの作成)」、「Sequential Data to Tape (順次データからテープ)」、「VSAM to Tape (VSAM からテープ)」) を使用すると、テープは、ファイルがクローズされて、タスクが完了した後で巻き戻されてアンロードされます。