CSECT マッピングに IDIRLOAD DDname の使用

Fault Analyzer は通常、8 桁の大文字から成る CSECT 名を使用してコンパイラー・リストまたはサイド・ファイルを検索します。つまり、CSECT 名の解決が障害点ソース行/ステートメントなどのソース・レベル情報を提供するための前提条件です。

Fault Analyzer はリアルタイム処理時に MVS バインダー・プログラムを自動的に起動し、アプリケーション・ロード・モジュール内の CSECT のマッピングを実行します。CSECT の判別は、通常、パフォーマンス上の理由から MVS オペレーティング・システムやLanguage Environment®に属するロード・モジュールなど、非アプリケーション・ロード・モジュールでは実行されません。

また、Fault Entry List 画面からFile > Analyze MVS Dump Data Setを使用して MVS ダンプ分析を実行する場合、CSECT マッピングは一般的に利用できません。その理由は、ロード・モジュールの当初の読み込み元であるデータ・セット名を決定できない、あるいはダンプが書き込まれたシステムと分析されるシステムが異なるからです。

ロード・ライブラリーの連結を IDIRLOAD DDname に事前割り振りすることで、非アプリケーション・ロード・モジュールまたは MVS ダンプ分析の場合のあらゆるロード・モジュールの CSECT マッピングを使用可能に設定できます。この方法による IDIRLOAD DDname の割り振りは、例えば、TSO ALLOCATE コマンドをダンプ分析前に使用するか、あるいは分析制御ユーザー出口から IDIALLOC REXX コマンドを使用することで実行可能です。

分析制御ユーザー出口を使用する場合、代替 DDname を使用するオプションもあります。代替 DDname は ENV.IDIRLOAD_DD フィールドによって識別する必要があります。この方法は、別々の ISPF 分割画面セッションで複数の Fault Analyzer ダンプ分析を同時に実行する場合に利用できます。最初の RFR 障害項目再分析時に代替 DDname を使用する方法については、ENV - 共通出口環境情報に記載されている IDIRLOAD_DD フィールドの説明を参照してください。

Fault Analyzer は、再分析中に、前述のいずれかの理由でロード・モジュールに関するリンク・エディット情報を持っていない場合、IDIRLOAD 連結を使用して同じ名前のモジュールを検索し、IEWBIND を使用して CSECT 名情報を取り出します。この方法により、これらの CSECT に対する潜在的な IDILANGX ソース・マッピングが容易になります。

IDIRLOAD DDname に割り振られたロード・ライブラリーのいずれかがマッピング対象のロード・モジュールと一致することが大切であり、一致しない場合は CSECT およびソース行の判別に誤りが生じる可能性があります。

PL/X プログラムのソース・レベル分析を容易にするには、PARM='mbr_name (PLX'を使用して Fault Analyzer を呼び出し、SYSADATA および SYSLOGIC 入力データを指定して作成されたマッチング用の IDILANGX サイド・ファイルを用意する必要があります。