Fault Analyzer IDIS サブシステムの使用

サービスを他の方法では実行できない場合や、サービスを開始しないと分析が不完全なものになる可能性がある場合、Fault AnalyzerIDIS というサブシステムを使用します。

MVS を実行する IDIS イメージごとに個別の Fault Analyzer サブシステムが必要です。

Fault Analyzer は、IDIS サブシステムを使用して、以下のことを行います。
  • DB2® サブシステムに接続し、アドレス・スペースが異常終了して接続が失敗する場合にカタログを読み取ります。これらの接続の失敗により、次のメッセージがアドレス・スペースの異常終了で出されます。
    IDI0082E DB2 Call Level Interface error: SQL return code -1 for SQLAllocConnect
    to DB2 system system-id
  • IDIXTSEL ポスト・ダンプ出口の代わりに SVC ダンプを登録します。この登録は主に CICS® システム・ダンプを対象としており、Java 障害の取り込みを容易にすることを目的としていますが、SLIP ダンプの取り込みも可能です。
  • PDSESHARING(NORMAL) が使用される場合は、異常終了 S213-70 のシステム間共有の競合を減らすために、 ヒストリー・ファイル・アクセス管理を行います。
  • ヒストリー・ファイル $$INDEX メンバーを管理すると、 より高いパフォーマンスを得ることができます (オプション)。この機能は適格履歴ファイルのデフォルトですが、IDIS サブシステムの始動で説明されているように、IDIS サブシステムに NOUPDINDEX PARM フィールド・オプションを指定して使用不可にすることができます。詳しくは、ヒストリー・ファイル $$INDEX データのキャッシュを参照してください。
  • NoDup(ImageFast(minutes,IMS(…))) オプションを使用して指定した IMS fast duplicate fault suppression を有効化します (オプション)。この機能はデフォルトですが、IDIS サブシステムの始動で説明されているように、IDIS サブシステムに NOUPDINDEX または NOIMAGEFAST PARM フィールド・オプションを指定して使用不可にすることができます。NoDup(ImageFast(minutes,IMS(…))) オプションについて詳しくは、NoDupを参照してください。
  • 高速 Exclude オプション処理を使用可能にします (オプション)。この機能はデフォルトですが、IDIS サブシステムの始動で説明されているように、IDIS サブシステムに NOFASTEXCLUDE PARM フィールド・オプションを指定して使用不可にすることができます。詳しくは、高速 Exclude オプション処理を参照してください。
  • リカバリー障害記録サポートを提供します。(リカバリー障害記録の一般情報については、リカバリー障害記録を参照してください。)
  • 情報をキャッシングして 保管することにより、Fault Analyzer ISPF インターフェース LOOKUP コマンドで メッセージおよび異常終了コードの説明を検索するときのパフォーマンスを向上させます。さらに、必要に応じて、VSAM KSDS メッセージおよび異常終了コードの説明リポジトリーを自動的に更新します。必要なアクセス許可については、メッセージおよび異常終了コード説明リポジトリーのセットアップを参照してください。
  • Java 提供の Diagnostic Tooling Framework for Java (DTFJ) を使用して、Java 分析サポートを提供します。DTFJ プロセスは、PARM='JAVA' オプションが IDIS サブシステム始動 JCL で使用されているときに IDIS サブシステムから spawn される、BXPAS アドレス・スペースから実行します。
  • ソース・データ・セットからメッセージと異常終了の説明の読み取りを実行し、パフォーマンス向上のために、選択した説明をキャッシュに入れます。
  • マイグレーション済みの密結合ダンプ・データ・セットを、それと関連する障害項目を削除するときに一緒に削除します。移行された密結合の関連ダンプ・データ・セットを削除するための IDIS サブシステム要件 を参照してください。

IDIS サブシステムの優先順位は、このサブシステムが呼び出される可能性のあるいずれのタスクよりも低く設定しないでください。IDIS サブシステムに高い優先順位を割り当てたとしても、IDIS サブシステムは未使用時にはリソースを消費しないため、システム・パフォーマンスに悪影響を及ぼすことはありません。

OMVS ホーム・パス

IDIS サブシステムは、OMVS UID 値およびホーム・パスを使用してセキュリティー・システムに定義する必要があります。ホーム・パスは適切なアクセス権を有している必要があります。