IDIDATST サイド・ファイルの使用可能性テスト・ユーティリティー

ユーティリティー・プログラム IDIDATST は、ロード・モジュール内のプログラムに対して適合するソース・マッピング・サイド・ファイルが使用可能かどうかの判別を支援するために提供されています。通常、既存のコンパイル・リストやサイド・ファイル再作成プロセスによって使用可能なサイド・ファイルが生成されているかどうかを検査する場合は、プログラム・スイート内で異常終了が発生するとインストール・フェーズにおいて IDIDATST が使用されます。この方法により、適合するコンパイル・リストまたはサイド・ファイルがプログラムに対して使用可能であるかどうかを異常終了の発生前に判別できます。

入力パラメーターを使用しない IDIDATST の基本操作では、最初の //STEPLIB DD 連結データ・セットのロード・モジュールにおいて、すべてのプログラムがスキャンされます。各プログラムまたは各 CSECT は、サイド・ファイル・データ・セットの対応する IDICNFxx DataSets オプション・リスト内に、適合する使用可能なサイド・ファイルがあるかどうかについてテストされます。さらに、ジョブ・ステップに //IDITRACE DD がある場合は、検索レポートがそこに書き込まれます。COBOL の //IDILCOB など、各言語のすべてのサイド・ファイル DD ステートメントを IDIDATST ジョブ・ステップに追加できます。対応するプログラム言語について、IDICNFxx オプション・データ・セットを検索する前に、まずこれらのステートメントが検索されます。

IDIDATST ユーティリティーを呼び出すサンプル・ジョブは以下のようになります。

//IDIDATST JOB ...
//RUN      EXEC PGM=IDIDATST,PARM='parms'
//STEPLIB  DD   DISP=SHR,DSN=load_lib_dsn
//IDICSV   DD   SYSOUT=*
EXEC PGM=IDIDATST JCL ステートメントに追加できるオプション PARM フィールドの形式は次のとおりです。
1. Syntax

1 PARM='PGM=load_module_name'
各部の意味は以下のとおりです。
load_module_name
最初の //STEPLIB DD 連結データ・セット内のロード・モジュールの名前。指定されたロード・モジュール名は、8 文字より短い場合、すべてのロード・モジュール名の同じ先頭文字に対して突き合わせを行うフィルターとして使用されます。

例えば、次のように指定することは


PARM='PGM=KACBB092'

と指定すると、ロード・モジュール KACBB092 のみがテストされ、


PARM='PGM=KAC'

と指定すると、最初の STEPLIB データ・セットで KAC で始まる名前のロード・モジュールがすべてテストされます。

IDIDATST の各実行から統合レポートが作成され、プログラム検索ごとの結果を 1 行で示す形で //IDICSV DD に書き込まれます。IDICSV 出力のフォーマットはコンマ区切り値 (CSV) です。これは、例えば、スプレッドシート・プログラムにデータをインポートする場合に役立ちます。同一データのコピーを、列位置合わせフォーマット (エディター・レビューに、より適している) で取得するには、//IDIFLAT DD を追加して、ブランクで CSV データを位置合わせします。

STEPLIB の IDIDATST プロセスは、後続のロード・モジュールに発生するプログラムまたは CSECTS を再テストしません。

IDIDATST は、異常終了条件下で行われるサイド・ファイル・テストを正確に複製することはできません。

オプションの //IDINOTST DD を追加すれば、サイド・ファイル検査から除外するプログラム名の接頭部のブランク区切りリストを指定できます。例:

//IDINOTST DD * 
XYZ ERR1*       
ABCD
/*              
プログラム名接頭部へのアスタリスクの追加はオプションです。これにより IDIDATST の動作が変わることはありません。