オブジェクト・アクセス方式の概要
この節では、オブジェクト・アクセス方式 (OAM) について簡単に紹介します。詳しくは、z/OS DFSMS Object Access Method Application Programmer's Reference を参照してください。
OAM でオブジェクトとは、名前の付いたバイトのストリームのことです。そのバイト・ストリームの内容、形式、および構造は OAM には分かりません。例えば、オブジェクトは圧縮された走査イメージである場合や、コード化データである場合があります。オブジェクト内には、個々のレコードは存在しません。
コレクションとは、オブジェクトのグループであり、普通は、似たようなパフォーマンス、可用性、バックアップ、保存期間、およびクラス遷移特性を持っています。オブジェクトは、すべて、1 つのコレクションに割り当てられます。オブジェクト名は、コレクション内では固有でなければならず、別のコレクションでは同じオブジェクト名を使用することができます。
OAM は、DFSMS のベースである MVS⁄DFP のアクセス方式の 1 つです。OAM は、SMS の持つ階層定義および管理パラメーターを使用して、ユーザーがアクセスできるオブジェクトをストレージ階層のどこへでも配置します。この階層は、DASD、ライブラリー常駐の光ディスク・ボリューム、および格納光ディスク・ボリュームから構成されています。階層内のオブジェクトの位置はユーザーには分かりません。装置依存の情報 (トラック・サイズなど) は不要です。
それぞれのオブジェクトについて、ユーザーは次のことを指定できます。
- ストレージ・クラス
- オブジェクトのサービス・レベル。オブジェクトの入っている物理装置またはメディアとは独立しています。
- 管理クラス
- オブジェクトのバックアップ、保存期間、およびクラス間移動特性
ストレージ・クラスおよび管理クラスは、ご使用のシステムのデフォルトによってオーバーライドされることがあります。