FMN3INST および FMN3PRFD の変更と実行依頼

ジョブ FMN3INST (および FMN3PRFD) を使用して、デフォルトのジョブ・カードとその他のデフォルト値を用意します。これらは、任意のユーザーに対して FM/CICS トランザクションが初めて実行されるときに、ログオン・パネルにデータを設定するために使用されます。ユーザーが初めてログオンした後には、以降の起動に備えて情報がプロファイル・データ・セットに保管されます。

FMN3INST は、必要な CICS® テーブル項目を定義し、FM/CICS プロファイル・データ・セット (VSAM KSDS) を定義し、ログオンのデフォルト値を使用してこのプロファイル・データ・セットを初期化します。

FMN3INST によって定義された CICS® リソースは、FM/CICS インターフェースが稼働する各 CICS® 領域でローカルに定義およびインストールされている必要があります。

FMN3INST の最後の 2 ステップで作成され、ロードされる VSAM データ・セット FMNPROF (#fm.profile.dsn) は、SHAREOPTIONS(2) を指定します。しかし、これを SHAREOPTIONS(4) に変更すると、この FMNPROF データ・セットを複数の CICS® システム間で共用できます。その場合、この VSAM データ・セットの削除/定義およびロードは 1 回実行するだけで済みます。これは、例えば、共通 DFHCSD データ・セットを複数の CICS® 領域で使用する場合に便利です。

注: FMNPROF は、FM/CICS ログオン・パネルにデータを設定するために使用されます。
FMN3INST の変更と実行は、次の 3 ステップで行います。
  • FMN3PRFD の変更
  • FMN3INST の変更
  • 実行 FMN3INST

FMN3PRFD

FMN3PRFD を以下のように変更します。

  1. メンバー FMN3PRFDFMN.SFMNSAM1 からユーザー所有の JCL ライブラリーにコピーします。
  2. そのライブラリーで FMN3PRFD 内の以下の値を変更して、ジョブ・カードおよびその他のログオンのデフォルトをカスタマイズします。
    *JOBCARD は FMN3POPT START=BATCH にのみ適用されます
    ジョブ・カードのデフォルト値を定義します。
    最大 4 行を使用してジョブ・カード値を用意します。次の 2 つの変数を使用できます。
    • &TERM は、ジョブが実行依頼されるときに 1 から 4 文字の端末 ID に置換されます。
    • &USER は、ジョブが実行依頼されるときに、FM/CICS が必要とする 1 から 7 文字のユーザー ID に置換されます。
    注:
    1. 変数の最後にピリオドを付けてもよく、そのピリオドは置換中に除去されます。
    2. これらの変数を使用して、デフォルトのジョブ・カードを各ユーザー固有にできます。
    *PROCNAME=FMN3CICB は FMN3POPT START=BATCH にのみ適用されます
    このプロシージャー名は、実行依頼されるバッチ・ジョブで使用されるプロシージャーの名前です。IBM® 提供の値は FMN3CICB です。プロシージャーの名前を変更する場合、このステートメントもそれに合わせて変更してください。(FMN3CICB については、バッチ・プロシージャーのカスタマイズを参照してください。)
    *PROFILE=profile_dataset_nameFMN3POPT START=BATCH と START=TASK の両方に適用されます
    ユーザーの ADFz Common Components プロファイル・データ・セットのデフォルトのデータ・セット名を指定します。この値は、ユーザーが FM/CICS を初めて起動するときのログオン・パネルにプロファイル・データ・セット名を設定するのに使用されます。ユーザーは、ログオン・パネルでシステム・デフォルトを上書きできます。実行依頼されたジョブは、データ・セットを、それがまだ存在していない場合は、割り振ります。存在する場合は、LRECL が 80 の区分データ・セットでなければなりません。この名前の中で参照されている変数 &USER は、現行のユーザー ID に置き換えられます。
    注:
    1. このプロファイル・データ・セットは、ユーザーの FM/CICS セッションに関する情報を格納するために使用されます (ISPF プロファイル・データ・セットに似ています)。
    2. このデータ・セットを PDSE として定義することをお勧めします。
    3. これは FMNPROF と同じデータ・セットではありません。
    *USERID=SIGNON は FMN3POPT START=BATCH と START=TASK の両方に適用されます
    FM/CICS では、トランザクション実行時にユーザー ID が提供される必要があります。*USERID=SIGNON を指定すると、ユーザー ID は、トランザクション呼び出しでユーザーが指定されていない場合、デフォルトで CICS® サインオン・ユーザー ID 値になります。このステートメントを除去し、ユーザー ID を指定せずに FM/CICS を起動すると、FM/CICS はユーザー ID を入力するようにプロンプトを出します。PASSWORD=REMEMBERまたは*PASSWORD=PASSTICKETを指定した場合は、この記述を削除できます。
    *PASSWORD=REMEMBER は FMN3POPT START=BATCH と START=TASK の両方に適用されます
    FM/CICS は、ユーザー ID とパスワード、および他のログオン情報を指定するログオン・パネルを最初に表示します。FM/CICS の以降の呼び出しでログオン・パネルをバイパスする場合は、このステートメントを指定します。FM/CICS がパスワードを記憶します。ユーザー ID を指定して CICS® にサインオンし、トランザクション FM を入力するだけで、FM/CICS によって記録されたログオン情報が有効である限り、ログオン・パネルをバイパスできます。ログオン・パネルが表示されるように FM/CICS を起動するには、次のように入力します。
    FMuserid
    ログオン・パネルは、なんらかの理由で FM/CICS ジョブが CICS® 領域に応答しない場合にも表示されます。
    *PASSWORD=PASSTICKET は FMN3POPT START=TASK に適用されます
    サインオン・ユーザーに対して PassTicket を要求し、PassTicket が成功した場合にはログオン・パネルをバイパスするよう FM/CICS に指示するには、このパラメーターを指定します。安全なサインオンのための PassTicket の生成および使用について詳しくは、CICS® の資料の Introduction to CICS security with RACF を参照してください。

FMN3INST

FMN3INST を以下のように変更します。

  1. メンバー FMN3INSTFMN.SFMNSAM1 からユーザー所有の JCL ライブラリーにコピーします。
  2. そのライブラリー内の FMN3INST を以下のように変更します。
    1. サイトの要件に応じてジョブ・カードを変更します。
    2. CICSHLQ= を、CICS® ライブラリー用の高位修飾子に変更します。
    3. LEHLQ= を、Language Environment® ライブラリー用の高位修飾子に変更します。Language Environment® が LINKLIST から使用可能な場合、その参照を除去します。
    4. CSD= を、DFHCSD ファイルのデータ・セット名に変更します。
    5. FMPROF= を、FM/CICS 用の VSAM ログオン・プロファイル・データ・セットに使用されるデータ・セット名に変更します。
    6. FMHLQ= を、File Manager ターゲット・ライブラリー用の高位修飾子に変更します。
    7. FMPROFD= を、カスタマイズ版の FMN3PRFD を参照するように変更します。
    8. FM/CICS に、FM/CICS がインストールされている接続済み CICS® 領域の APPLID のリストを提供する場合は、#fm.conn.list を、そのリストを含むデータ・セット名に変更します。サンプル・リストが、FMN.SFMNSAM1(FMN3CONN) に用意されています。
    9. FMNPROF プロファイル・データ・セットを共有する場合、最後から 2 番目のステップの SHAREOPTIONS 値を変更するか、最後の 2 ステップを完全に除去します。詳しくは、SHAREOPTIONS を参照してください。
    10. FMN3INST 内の DFHCSDUP ステップで、FM/CICS リソース定義名にリストされた CICS® リソース定義名を変更することもできます。これらの名前のどれかを変更すると、FM/CICS 内の FMN3POPI オプションの変更も必要になることに注意してください。FMN3POPI の変更については、FMN3POPIを参照してください。
    1. FM/CICS リソース定義名
    リソース名 説明 FMN3POPI 変更が必要か
    FMNPROF ファイル - ログオン・プロファイル・データ・セット あり
    FMNJ ジョブ実行依頼用の一時データ・キュー名 あり
    FMNRDR 一時データ・キュー FMNJ の DDNAME なし
    FMNC 接続済み CICS® 領域の APPLID のリストのある一時データ・キュー。 あり
  3. FMN3INST に対して必要な変更をすべて完了したら、ジョブを実行依頼します。ゼロの戻りコードで完了するはずです。