FM/CICS 処理の制御

File ManagerCICS® リソースの状況の読み取りおよび変更を行うことができます。リソースが CICS® 環境で保護されていない場合は、File Manager for CICS® ユーザーが実行できる機能を制御しなければならないことがあります。

Security Server、RACF® 1.9 (またはそれ以降)、あるいは同等のセキュリティー製品がアクティブの場合は、File Manager 拡張セキュリティー機能を持つ System Authorization Facility (SAF) がアクセス制御と許可検査に使用されます。許可は File Manager 固有のプロファイルによって FACILITY クラスおよび XFACILIT クラスで以下のように制御されます。

FM/CICS リソース検査のアクティブ化

File Manager が特定の CICS® リソースに対するアクセス権限を検査するかどうかを決定するために次の FACILITY クラス・プロファイルが使用されます。


FILEM.CICS.RESOURCE

FM/CICS リソース検査をアクティブにする例を以下に示します。


RDEF FACILITY FILEM.CICS.RESOURCE AUDIT(NONE)      +
        UACC(READ) OWNER(TYRONED)
SETROPTS RACLIST(FACILITY) REFRESH

このプロファイルが定義されていて、ユーザーが読み取り権限またはそれ以上のアクセス権限を持っている場合、FM/CICS は XFACILIT クラス・プロファイル (下記参照) を使用してリソース・セキュリティー検査を実行します。

CICS® リソースに対するアクセス権限を定義

次の形式で XFACILIT クラス・プロファイルを定義します。


FILEM.sysplex_name.cics_applid.resource_type.resource_name

項目

sysplex_name
z/OS® シスプレックス名。
cics_applid
CICS® 領域用の VTAM® CICS® アプリケーション ID。
resource_type
以下のいずれかの値。
FILE
CICS® ファイル
TD
CICS® 一時データ・キュー
TS
CICS® 一時ストレージ・キュー
ENQ
CICS® エンキュー・リソース名
resource_name
CICS® ファイル名、一時データ・キュー名、または一時ストレージ・キュー名。このレベルはリソース・タイプ ENQ には適用されません。

File Manager はアクセス権限のレベルを以下のように検査して実行可能な機能を判別します。

READ
このアクセス権限では、参照、印刷、表示などの読み取り専用機能を実行できます。ユーザーは CICS® リソースを変更できません。
UPDATE
このアクセス権限では、編集、データ作成、コピーなどの更新機能を実行したり、TS キューと空の TD キューをリソース・リスト表示から削除したりできます。
CONTROL
このアクセス権限では、CICS® SET 機能処理でリソースの状況を変更したり、resource_type ENQ を持つ XFACILIT クラスの未処理エンキューでタスクをパージしたりできます。ユーザーに CONTROL 権限がない場合、状況フィールドはリソース・リスト・パネルでは変更可能であったとしても、そのユーザーが変更を許可されていないリソースに関しては保護されます。
注: CICS® ファイルの XFACILIT クラスが定義されていて、File Manager 機能でできることがデータ・セットの読み取りまたは更新である場合に、ユーザーがその機能を実行すると、追加検査が行われて、CICS® ファイルに関連付けられているデータ・セット名に対する必要なレベルのアクセス権限がそのユーザーにあるかどうかが妥当性検査されます。

RACF® 定義の例

ケース 1。CICSDEV 上のすべてのファイルに対して読み取りアクセスのみを可能にする


RDEF XFACILIT FILEM.SYSPLEXA.CICSDEV.FILE.**  AUDIT(NONE) +
               UACC(READ) OWNER(userid)

ケース 2。CICSDEV 上のすべての CICS® リソースに対して読み取りアクセスのみを可能にする


RDEF XFACILIT FILEM.SYSPLEXA.CICSDEV.**  AUDIT(NONE)   +
               UACC(READ) OWNER(userid)

ケース 3。CICSDEV 上のすべての CICS® リソースに対する更新を許可し、システム・プログラマー・ユーザー ID に SET 処理を許可する


RDEF XFACILIT FILEM.SYSPLEXA.CICSDEV.**  AUDIT(NONE)  +
               UACC(UPDATE) OWNER(userid)

PE FILEM.SYSPLEXA.CICSDEV.**  +
         CLASS(XFACILIT) ID(sysprog) ACC(CONTROL)

ケース 4。FM で始まるファイル名に対する全アクセス権限を特定ユーザーに付与する


RDEF XFACILIT FILEM.SYSPLEXA.CICSDEV.FILE.FM* AUDIT(NONE) +
               UACC(NONE) OWNER(TYRONED)
PE FILEM.SYSPLEXA.CICSDEV.FILE.FM* +
         CLASS(XFACILIT) ID(user1) ACC(CONTROL)