File Manager 機能を使用する際のパフォーマンスに関する一般的なヒント

File Manager 関数を使用するときのパフォーマンスを向上させるガイドとしてのヒントを以下に示します。
  • DFSORT を使用する順次入力ファイルの読み取り
    • 全体的に最適な File Manager 製品のパフォーマンスを得られるように、すべての File Manager インストール済み環境で、DFSORT を File Manager で使用できるようにして、DFSORT I/O テクノロジーを活用できるようにすることを強くお勧めします。詳しくは、File Manager for z/OS Customization Guideを参照してください。
      注: File Manager で DFSORT テクノロジーを使用するために、DFSORT ライセンスは不要です。
    • DFSORT テクノロジーは、特定の File Manager の編集およびブラウズのシナリオなど、対話式操作を行う際に File Manager で使用されます。また、File Manager は、File Manager ユーティリティーのデータ・セット・コピー (DSC) およびデータ・セット印刷 (DSP) の対話式とバッチ実行の両方で使用できます。
    • DSC および DSP ユーティリティーの場合、File Manager は以下を読み取る際に DFSORT テクノロジーの使用を試行します。
      • 順次 (DSORG=PS) データ・セット
      • VSAM ファイル。ユーザー PROC に FASTPROC (DFSORT) コマンドがあることが条件です。ユーザー PROC がないか、PROC に FASTPROC ステートメントが含まれない場合は、File Manager は独自の VSAM I/O を使用します。
    • DSC の場合、File Manager が DFSORT テクノロジーを使用して入力ファイルを読み取ることを選択すると、基本出力データ・セットの書き込みにも DFSORT が使用されます。
    • 開発時の測定では、File Manager が DFSORT テクノロジーを使用すると、順次 (DSORG=PS) I/O (EXCP) が 2 桁減ることが分かっています。また、File Manager が DFSORT テクノロジーを使用すると、DFSORT テクノロジーへのアクセスがない File Manager と比較して CPU 使用率も大幅に減らすことができます。I/O および CPU の両方のパフォーマンス向上は、特別な File Manager 処理がほとんどまたはまったく必要とされない単純な状態で最も大きくなります。FASTPROC (DFSORT) コマンドを使用して、レコードの再形式設定などの処理の全部または大部分を DFSORT によって実行できる場合にも、CPU のパフォーマンスは大幅に向上します。
    • File Manager は、PROC やテンプレートまたはコピーブックを使用する場合など、個別レコードを処理する必要がある場合でも、DFSORT テクノロジーを使用できます。ただし、次のような条件により、File Manager が特定の順次入力ファイルで DFSORT I/O テクノロジーを使用できないことがあります。
      • I/O 出口が入力データ・セットで使用されている
      • 入力データ・セットが以下である場合
        • 非類似属性を持つ連結データ・セット
        • LRECL=X データ・セット
        • HFS ファイルです。
        • 長さが未定義のレコードが含まれている (RECFM=U)
        • セグメント化レコードが含まれるテンプレートで処理中である
        File Manager は、上記の条件およびパフォーマンスに影響する可能性のある他の要因に基づいて、DFSORT の使用に関する決定を行います。一部の条件では (テープ・データ・セットがある場合)、File Manager は、非類似データ・セット属性を検出できないことがあり、コピー処理のために DFSORT を引き続き呼び出すことに注意してください。このような呼び出しは、DFSORT ではデータ・セットの非類似連結が許可されないため、失敗することがあります。そのようなとき、DFSORT は、NOSORT 機能で使用不可に設定して、非類似属性を持つ連結データ・セットの処理が正常に行われるようにできます。
    • File Manager PROC で DFSORT コマンドを使用して直接 DFSORT 処理を制御することが可能です。詳しくは、DFSORT プロシージャー・ステートメントのコーディングで FASTPROC の説明を参照してください。ハイパフォーマンスが必要な場合、この機能を使用する価値があります。DFSORT は、File Manager がデータ・レコードを処理する前、または場合によっては File Manager がまったくデータ・レコードを処理しない場合も、非常に効率的に操作を実行できます。ユーザーにとっての主な コスト は、さらに DFSORT コマンドの構文を学習して使用しなければならないということです。
  • REXX の FASTREXX サブセットを使用する

    ユーザー PROC が必要な場合は、フル REXX 言語ではなく REXX の FASTREXX サブセットを使用することを強くお勧めします。File Manager は、FASTREXX サブセットで多くの共通タスクを実行できるように設計された、外部 REXX 関数のセットを提供します。FASTREXX の詳細については、File Manager 処理の拡張および外部 REXX 関数を参照してください。

  • テンプレートとコピーブックの処理

    BTB、PBK、多くのデータ・セット関数 (DS*) などの複数の関数により、テンプレートまたはコピーブックを処理できます。これらの関数を使用するときは、次のパフォーマンス関連のポイントについて考慮してください。

    • コピーブックの代わりにテンプレートを使用する場合、File Manager の効率が非常に高くなります。
    • コピーブックを使用する必要がある場合、パフォーマンスを最大にするために、コピーブック言語を明示的に指定してください (LANG=COBOL、LANG=PLI、または LANG=HLASM)。
    • テンプレート式を作成する場合は、可能な限り、File Manager 内部処理に適した式を使用してください。詳細については、内部式処理を使用してのパフォーマンスの向上を参照してください。